相続税の申告は税理士の先生に任せて、相続人である私は自身で土地建物の相続登記の手続きを行います。相続登記の手続きについては、いろいろと士業さんたちがサイトで説明をしていますが、肝心なことは書いていません。おそらくすべとを正確に書いてしまうと、商売に結びつかないかと察します。ここでは、実際に相続人が相続登記の手続きをしたことを正直に書いていきます。おそらく、相続する土地建物や、相続人などの条件が誰もが違うのでピッタリの手続きできるルとは限りません。私の場合は、相続人が姉と私の二人で、一つの物件を分割することなく2つの物件をそれぞれ一つづつ相続するという条件です。それを踏まえて読んでいただければ思います。
まずは手続きの前に法務局の出張所に出向いて手続き前の相談に行きます。申請の前の前段階です。以前に法定相続情報を法務局で取得しましたが、そのときも申請前に相談に行きました。初めての申請するときは、直接申請するよりも相談に行ったほうがよろしいです。何かと申請書の訂正と必要な書類の確認をしてくれます。ただし、相談をしても申請が必ず通るということがないことに注意してください。相談員はあくまでも相談までで、登記官とは別の役職です。登記官と相談員の間には齟齬があると思った方がいいです。それと、登記官はなるべく登記しようとする気はありませんので、登記官の胸先三寸で(例えば、と.の違いとか)不備で戻されることがあるかもしれないことを覚悟しておいた方がいいかもしれません。
さて、最初に法務局の出張所の窓口相談員が問題でした。相続登記は4月から義務化されますが、現状の法務局の窓口相談員の姿勢を変えなければ難しいでしょう。相談員の態度は素人さんお断りのようです。今回担当した相談員はハズレで、こちらの相談には乗ってくれそうな態度ではありませんでした。
まずは、声が小さすぎで何を言っているかわからないのです。もっと大きな声で話してよ、と言ってみようかと思いましたが、相談員の機嫌を損ねてこれ以上相談できないから士業に頼めなんて言いそうでしたので、こちらがわざと腹の底から大きな声で話して、あんたの声が聞こえないアピールしておきました。
そして、こちらの提出した申請書を訂正する字が汚くて読めません。仕方ないので、これまた大きな声で何と書いてあるのか聞きました。相談員はメモだからと言っていましたが、何が書いてあるか読めません。それでもせっかく時間を割いてクルマに乗って遠い法務局までやってきたので、最後まで申請書の書き方を聞き出さなければいけません。もうくなった、役所の対応の対する修行だと思って堪えます。
さて、大きな声で応答してあげると、相談員もようやく悟ったらしくある程度は申請書類の訂正をしてくれました。しかし、訂正した内容で実際に申請が通るかはわからないと言い訳していました。だったら、何の相談かと思っています。そして、次回窓口に提出する書類を聞き出しました。これらの情報は聞き出さないと教えてくれません。
以下の法務省の相続登記申請手続のご案内の登記申請書をサンプルにして書いていきましたが、いきなり登記の目的から訂正が入りました。サンプルのとおりに所有者移転だけではダメのようです。
相続登記の申請書に記述する土地建物の内容は、登記の内容と完全に一致させなくてはいけません。例えば、土地の所在地は○番○で、建物の所在地は○番地○で家屋番号は○番○にするという謎ルールに則って記述しないと登記官は受け付けてくれないそうです。普通に宛名を書くように○-○なんては絶対ダメです。つまりは、素直に登記の内容をそのまま書け、ということになります。相続登記の手続きをするのであれば、土地建物の登記証明書を手に入れておけということでしょうか。
そして遺産分割協議書もこのルールに従って書いてあげないと登記ができないと言われてしまいました。遺産分割協議書なんぞは相続人同士が理解しておけばいいくらいに書いていました。特に建物は所在地だけで家屋番号を書いていないと申請は通らないと言われてしまいました。今回の遺産分割協議書の元にしたのは、30年前に父が亡くなったときの士業が書いた遺産分割協議書でした。士業が書いても不備があるようです。今回の遺産分割協議書は法務局の登記官のためになんて書いていません。と文句を言っても、相続登記の手続きができないので遺産分割協議書を書き直しになります。
固定資産税の明細に出てこない相続登記をしなければいけない私道の土地や、隣との端数の小さな土地が見つかりましたので、いずれにしても遺産分割協議書を書き直さなければいけませんでした。税理士の先生によると、見つかった土地は相続税には影響はないので、遺産分割協議書にその土地の分を追加するか、後で見つかった財産は自動的に相続人のものにする条項で済ますかは、登記官によって判断されるとのことでした。しかし、今回の相談員によると、相続登記の不動産はすべて遺産分割協議書に書いておけという指導が入りましたので、結局は遺産分割協議書は書き直せといことになります。
上記の相続登記申請手続のご案内に記述する申請書に添付する書類は足りないものがありました。申請書には課税価格と登録免許税の金額を書かなければいけませんが、こちらは法務局で調べてくれる訳ではなく、あらかじめ計算して申請者が書いていかなければいけません。その元のデータとなるのは、役所から送付される固定資産税の納税通知です。こちらの納税通知と一緒に添付されている明細の原本を提出しないといけません。登記と税金は連動していないので、このように申請者が手間がかかることになります。どうせ後で法務局のほうで課税価格を調べて金額をチェックするかと思います。金額の記入が間違えていて、足りなかったら後で催促されて、多ければ国税のほうから面倒な返金手続きになると相談員が言っていました。そして、窓口に申請するときに、登録免許税を印紙で払うことになります。あくまでも窓口で現金で印紙を買います。後述のネットではペイジーで銀行口座から引き落としができるので、ネットのほうが便利でしょう。
法務局で以前取得した法定相続情報と訂正した遺産分割協議書と相続人の印鑑証明が必要です。そして、遺産分割協議書に実印押していますので、すべての相続人の印鑑証明書が必要になります。役所では捺印不要になっていますが、こればかりは印鑑が必要になります。そして申請書にも認印が必要です。これは河野太郎に密告しておきましょう。
法務局が発行された法定相続情報があれば、住民票や相続人や被相続人の戸籍の束は必要ありません。相続の手続きをするのであれば、法定相続情報は法務局で取得することは絶対にお薦めしておきます。役所以外に銀行、証券会社でも戸籍を提出しなければいけない機関には、戸籍の束の代わりに法定相続情報で済ませせることができます。もし、受け付けてくれなかったら、その機関は能力不足なので、法務局にこれまた言いつけましょう。
遺産分割協議書を作り直して(別の相続人が近くに済んでいるので助かった)、以上の通り申請すれば相続登記の手続きは完了するでしょう。
今回は地元の法務局の管轄の不動産の登記ですので、法務局の窓口で申請しましたが、あとの不動産はネットで相続登記の手続きを進めたいと思っています。窓口で一度相続登記の手続きのレクチャーを受けておけば、ネットのほうは楽にできると淡い期待を持っています。
以上、士業に高いお金を払わなくても相続登記はできるけど、法務局の相談員の態度に我慢できればいいけどな、という話しでした。これでは法務局は士業に手続きを任せなよ、と言うのだろうな。相続登記の義務化は士業に儲けさせる制度なのだろうな。こんな手続きでは、相続登記なんて誰も自分でやらないな。
母が亡くなってから、一連の手続きをやってみると、この国は終わったな、と思うのでした。ちゃんとDXをしようよ。
“相続登記の手続きをしようとしたら遺産分割協議書が書き直しになった話し” への1件のコメント
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