玄関のドアをノックする音がする。大抵はドアベルを鳴らすけど、たまに近所の人がノックする(何度も言ってもノックする)ので出てみる。
知らない初老の人が立っていた。
何でも新聞の集金で、●●-●●の隣の番地の井上さんを知らないか、ということだった。近所に井上さんというお宅はない。どこの新聞かと尋ねると、朝日新聞と言うことだった。格好が三つ揃いのスーツで、いつもの新聞の集金とは違った感じである。近所を廻っている朝日新聞の配達と集金の人たちは、揃いのジャンバーだから。
しかも、集金する家のことを知らないと言うのは怪しい。配達しているのだから、名前と住所くらいは把握しているはず。
いいように考えられるのは、普段は配達したことない人が、たまたま初めて集金をしに来た。
悪く考えるには、空き巣の下見。普段在宅しているかどうかをチェックしていた。ノックしたら、たまたま家にいたから、とっさに新聞の集金を名乗った。それか、高齢者が出てきたら、まだ集金していないと言って、新聞料金を取っていくとか。こちらがありそう。
朝日新聞の販売所に問い合わせてもいいけどさ。新聞集金詐欺ってあるから、気を付けないといけない。特に身分証明書とかIDカードとかと見せることもしなかったので、これだと不審者情報に流れてもおかしくないな。
不審者はまずは疑ってかかることが大事。昔、母は知らない人が訪ねてきて、そのまま先物取引をやらされて、数百万も欺されたことがある。その情報が廻っているらしくて、いまだに電話でセールスがやってくる。